ななつ星in九州の車両

ななつ星in九州の車両

ななつ星in九州」の車両は、専用のディーゼル機関車1両と客車7両です。


機関車・客車ともにすべて大分鉄道事業部大分車両センターの所属です。


なお、車両検査中は運休します。


平成28(2016)年10月1日現在、同年12月27日〜平成29(2017)年1月6日が運休予定です。


「ななつ星in九州」の機関車

JR貨物のDF200形ディーゼル機関車を設計のベースに、外観などを「ななつ星in九州」仕様にしました。


都市部の列車密度が高い線区での加速性能や山間部における最大33‰の連続勾配上での起動を見込んでのことです。


形式は「DF200-7000」とされ、連結器は客車と同様に密着式自動連結器としています。


なお、並型自動連結器と連結する時に備えて切替レバーが装備されています。


平成25(2013)年7月2日に製造元の川崎重工業兵庫工場から車体を傷防止用の黒カバーで覆い大分へ甲種鉄道車両輸送されました。


なお、回送やプッシュプル運転時の際には黒色塗装に塗り替えられたDE10形が牽引します。

「ななつ星in九州」の客車

「ななつ星in九州」の客車には、77系客車が専用で用いられます。


編成は、7両。


内訳は、個室寝台車5両、ダイニングカー、ラウンジカー。


寝台車は、すべてスイートルームで編成定員は28名。


内訳はスイート12室、DXスイート2室の計14室となっています。


2・4・7号車にクルー室、2・6号車に共用トイレ、3号車に共用シャワー室があります。


客車形式には、昭和30(1955)年に廃止されて以来58年ぶりに旧一等寝台車をあらわす「イネ」の記号が使用されています。


最高速度は100km/h。


製造は2ヶ所で行われ、1〜3号車をJR九州小倉総合車両センター、4〜7号車は日立製作所が担当しました。


ちなみに、小倉総合車両センターが担当した1〜3号車の車体構体は日立製作所で製造されています。


最初に、日立製作所が担当する4〜7号車が完成。


DF200形と同じく黒いラッピングフィルムで覆われた状態で平成25(2013)年7月18日に日立製作所笠戸事業所から小倉へと甲種鉄道車両輸送。


小倉総合車両センターで製造された1〜3号車とともに同年8月1日に小倉総合車両センターで構内試運転が実施され、同年8月15日からJR九州管内での本線試運転がはじまりました。


車両製造費は7両編成で約30億円。


インテリア・外装のデザインは水戸岡鋭治氏です。


同年9月13日には報道陣に公開されました。

「山間部の(線路・駅設備など)制約が大きく、機関車を入れて8両・約160mが限界」という社内での検討結果から客車7両編成とされました。


「社長からは『もう1両増やせないか』という話があった」ものの結局あきらめたということです。

車体

車体は817系近郊型電車をベースとしたアルミニウム合金のダブルスキン構造を採用。


塗装はメタリック。


全長は20,000mm、車体幅は2,936mm、全高は客室内の天井の高さを最大限確保するため、車両限界ギリギリの4,080mmです。


扉はラウンジ車以外に1両につき1ヶ所です。


1号車と7号車の展望室部は平面大型1枚ガラスで、周囲には上部に推進運転用標識灯と尾灯を兼ねた赤色灯を、側面には非常口を設けています。

空調装置

空調装置は、1・2号車はAU700K(冷房能力21,000kcal/h、暖房能力8kW)を1両に2基ずつ、寝台車の3〜7号車はAU701K(冷房能力6,000kcal/h、暖房能力3kW)を1両に5基ずつ装備しています。


寝台車は部屋ごとに個別に調整できるほか、モニターからまとめて制御もできます。


外観は、出来る限り空調カバーと屋根のカーブをあわせています。

サービス電源(補助電源)

サービス電源は、1・2号車床下に発電用エンジンSA6D140HE-2-DM700K形を1基ずつ装備して三相交流440V、60Hzを出力しています。


給電は基本的に、1号車のエンジンが1〜4号車、2号車のエンジンが5〜7号車とされ、各車に装備されたKE10形ジャンパ連結器で各車両に引き通されています。


1台で7両分の容量を持っているので静けさが求められる場合には、エンジン1基で編成全体へ給電することも出来ます。


制御回路は別のKE70形ジャンパ連結器で連結され各車両に引き通されています。

ブレーキ

ブレーキは電気指令式空気ブレーキを装備。


1号車と7号車にブレーキ読替え器を装備し、機関車から客車へのブレーキ指令を送るブレーキ管の圧力変化を電気信号に読替えた後、電気回路で各車にブレーキ指令を送りブレーキを動作させます。


電気指令式空気ブレーキが使用できない時に備えて、各車にバックアップで搭載されているCL形自動空気ブレーキに切替えて運転を継続できるようになっています。

台車

台車は787系特急型電車のTR400をベースにしたボルスタレス台車のTR407K。


軸箱支持装置は円筒積層ゴム式で軸バネのコイルバネ内に装備されています。


軸箱上に軸ダンパが装備。


空気ばね(枕ばね)を介して台車枠と車体が連結されている部分には、アンチヨーダンパのほか、上下方向の振動に対して、ダンパの減衰力を切替えて振動を和らげる可変減衰上下動セミアクティブダンパを全車装備しています。


左右動制振装置として1号車と7号車にはフルアクティブダンパを、2〜6号車はセミアクティブを搭載。


フルアクティブダンパを作動させる他に、空気ばねや空気ブレーキ用の圧縮空気を4・6号車に搭載したMH3095K-SC1500形電動空気圧縮機により供給します。


さらに、機関車からも元空気だめ管を連結して客車で必要な圧縮空気を供給します。

連結器

車両間の連結には密着連結器と密着自動連結器を用いています。


これらによって連結面間の遊間(すき間のこと)をなくし、前後の衝撃を和らげています。


機関車と客車との連結時には、KE158形ジャンパ連結器を連結、機関車側で客車のブレーキ不緩解(ブレーキがかかったままの状態)・火災表示・エンジン故障表示・非常警報表示などの客車の情報を監視できる仕組みです。

その他

シャワー用に、3〜7号車には清水2000リットルと汚水用タンクを備えています。


1号車カウンター内にはモニター装置を設けて、各部屋の空調や水量などを確かめることができるほか、各部屋との連絡通話やBGM配信などもできます。

客車ごとの紹介

ラウンジカーとダイニングカー

ラウンジカー「ブルームーン」(1号車/マイ77-7001)

「ななつ星in九州」の「走る社交場」とされる車両。


車内にはバーカウンター兼用総合受付ロビー、ピアノ、2人ボックス席6組、ソファー付き展望室があります。


展望室部は平面大型1枚ガラスで、周囲には上部に推進運転用標識灯と尾灯を兼ねた赤色灯を、側面には非常口を設けています。


この車両に出入用の扉はなく、展望室車端部にある非常扉だけです。


食事時間は2号車とともにダイニングとなり、夜間はバーとして朝まで過ごせます。


製造は、JR九州小倉総合車両センター。

この車両の床下には電源装置があります。

ダイニングカー「ジュピター」(2号車/マシフ77-7002)

「木星」という意味の食堂車。


室内には、カウンター付き厨房、4人と2人のボックス席が2組ずつ、4人用セミ個室と立席茶室があります。


製造は、JR九州小倉総合車両センター。


この車両の床下にはラウンジカーと同じく電源装置があります。

寝台車

寝台車は、すべてスイートルーム。

内訳はスイート12室、DXスイート2室の計14室となっています。

デザインテーマは、和と洋、新と旧の融合。

スイート寝台車(3〜6号車/マイネ77-7003 - 7006)

編成中に4両連結される寝台車です。


1両あたり3室、4両合計で12室設けられ全てスイートルームとなっています。


室内には、ソファー兼用ベッドが2つ・机・洋式トイレ・洗面台付きシャワー室があります。


両サイドの車窓を楽しめるように通路と客室が3・5号車と4・6号車で逆に配置されており、3号車の出入口寄り1部屋(301号室)は車椅子対応のバリアフリーです。


車椅子は、幅70cm、全長120cm、高さ109cmの範囲内であれば対応できます。


なお、車内専用で使用できる小型の車椅子も用意されています。


製造は、3号車が小倉総合車両センター、4〜6号車が日立製作所です。

DXスイート寝台車(7号車/マイネフ77-7007)

DXスイートは展望室をもつ寝台車です。


DXスイートは、「ななつ星in九州」では2室だけ。


室内は、シャワー、トイレ、DXスイートだけのソファー付きリビングがあります。


車端部の部屋(701号室)は、平面大型の1枚ガラスで構成された展望窓から去りゆく車窓を楽しめます。


展望部周囲には上部に推進運転用標識灯と尾灯を兼ねた赤色灯を設けています。


なお、DXスイートの定員は2部屋とも3人です。


3人で利用する場合は、ツインベッド+簡易ベッド(またはソファベッド)となります。


製造は日立製作所。